伝統とは守りながらも時代やニーズにこたえ、変革していくものなのだと知りました。老舗の責任の重みとそれを支える職人さん達、沢山の知恵や苦労、変える勇気があってこそ繋がってきたのだと。
細尾さんは、西陣織の技術を駆使し、私たちが持つ煌びやかなイメージからは想像もつかないシックな色柄やテクスチャーに仕上げて世界の市場に挑み、さらに発展させる発想の豊かさをお持ちの方でした。
実際に世界の一流ブランドで採用されている生地に触れさせて頂き、その見た目から受ける重厚な印象とは違う布の軽さ、織糸の製作工程からこだわることで発する光沢にも驚きました。
これが他の国では真似できない、日本の織りの技術なのかと誇らしくも感じました。一流のものの製作のプロセスを垣間見れたような、心地よい刺激を受けることが出来ました。
佐藤由美子