秋の小旅行 「賢治とモリス館他」 10月22日(水)のご報告

 

 当日 朝から生憎の雨だったが、事務局とセミナー委員会による素晴らしい企画で密度の濃い体験旅行となった。
 まずは宮城に入って定義如来へ。なかなか止まない雨であったが、定義如来までの景観は素晴らしく、まさに山岳信仰を思わせるような霧に包まれて渓谷からの眺めは圧巻であった。神秘的雰囲気に包まれ、行く先にはどんなお寺があるのかとワクワクした。しかし、駐車場に着いてみると結構たくさんの参拝の方々がいて意外な感じもした。
 「定義如来 西方寺」は縁結びや安産にご利益があり、一生に一度の大願を兼ねてくださる如来様として古来より多くの信者より崇拝されていると言う。雨に煙るこの一帯をおのおの散策し、お寺の彫刻、五重の塔に感嘆した。鮮やかな紅葉も愛でることができ、名物の油揚げ、こんにゃく、揚げまんじゅうを頬張る人もいた。とても情緒的な旅を体験できた。
 次は今回メインの「賢治とモリス館」へ。近代デザインの父と言われるウィリアム・モリスは皆さんにはお馴染みのモチーフで、大好きな人も多く期待に震えたに違いない。森の小径といったような所までバスが行くと、目指す「賢治とモリス館」はあった。イングリッシュガーデンのような可愛いお庭があり、館に入ると、絨毯、タペストリー、カーテン、壁紙、額絵の「いちご泥棒」、「ぶどう」などなど、自然の植物をモチーフにしたウィリアム・モリスデザインの数々に出会うことができた。みんな大満足といった風である。
 自然を愛した賢治の「イーハトーブ」に相通ずるものがあり、賢治の「雨にも負けず」の原稿コピーも展示され、両者に共通点も見出すことができた。賢治とモリスはほぼ同時代に生き、民衆の芸術に目を向けた人であることに思いを馳せた。
 ちょうど昼食の時間となり、2部屋に分かれて魚料理をメインディシュに食事を取った。英国家具のテーブル、椅子に座り会話が弾んだようだ。
 さて次の見学はニッカウィスキー仙台工場である。現在放映中のNHKテレビ小説「マッサン」こと竹鶴政春の努力の賜物であるスコッチウィスキー工場見学は、正にこの時期に打って付けの場所となった。北海道余市に次いで、この宮城工場が出来たのは40数年前であるが、気候風土がスコットランドに似ているからだ。良質の水、大麦が原料だが、その麦を乾燥させる時にピート(泥炭)を燻す。それがモルトウィスキー独特のスモーキーな香りとなる。一通り見学した後試飲して工場限定品のウィスキーやチョコなどをお土産に買った。赤レンガ工場もイギリス風で素敵だった。
 最後はスエーデンの家具雑貨「イケア」に立ち寄る。あすと長町にこの秋にオープンしたのだが、すでに何回か来ている会員もいてさすがインテリアのプロである。カラフルな色使い、可愛いファブリックのモチーフ、機能的な収納家具、環境に優しい素材など洗練されたものをたくさん見て目を肥やしたひと時となった。
 今回の見学会、小旅行は役員会で出た案にプラスアルファされて盛りだくさんのプランだったが、時間通り決められた時間を守りつつ、会員は各々の興味関心を引き付けられる体験になったようだ。
 お疲れ様でした。
                            以上 広報委員会