平成22年度定時総会・講演会 レポート

  • 日時:2010年6月9日(水)
  • 会場:アーマテラス in 郡山

仁井田会長

 平成22年度定時総会は、仁井田武男会長の挨拶で開会しました。
多くの会員の皆様、賛助会員の皆様にご出席いただきまして有難うございました。

新役員の皆様

 新会長に斉藤立子さんが決定し、新役員体制となりました。
 今年度もどうぞよろしくお願い致します。

講演会「デザインのできること デザインのすべきこと」
アートディレクター廣村正彰氏

アートディレクター廣村正彰氏 今回の講演会は、今月のAXISの表紙を飾った旬のひと、廣村正彰氏をお迎えしました。
 グラフィックデザイナーでありながら、紙媒体の平面デザインから空間のデザインへと活動を拡張している廣村氏の、アートディレクターとしてのお仕事をご紹介いただきました。
 ブランディングや空間のグラフィック、サインシステムなど、建築や環境に絡んだ空間の仕事が多いとのこと。インテリアや建築に関わる私達にも「意識の発火点」が多くありました。

 廣村氏の語る「意識の発火点」とは共感を得るポイントのこと。だれかを発火させるようなポイントをつくり出すことができたら、それは成功のサイン…嬉しい事ですね。

・世の中にあふれるたくさんの情報には、必要な情報もあれば、不必要な情報もある
 必要な情報を効果的に届けるか、ただ強く主張するだけでは伝わらない。

・「伝える」ことのみを考えるのではなく、どのように「伝わる」かを考える
 プレゼンは説得ではなく納得させろ、というのと同じですね。
 それは「相手の立場」にたって考えることから始まるのではないでしょうか。

・著書「字本」:字を科学的な角度から見直すことで発見
 字は「線言葉」目に見えないことばを字という形にした最もすぐれたことば

・字は顔の右側にあると読みやすい、その情報が言語を扱う左脳へ送られるから

・日産自動車デザインセンター:線が繋ぐ共通の意識
 各部屋をアイコンでサイン表示し、トータルのプロセスを1本の線でつなぐ 

・丸井 北千住 食遊館:字にひそむ絵の要素を通してコミュニケーションする
 レストラン街のサインシステム、食に関する漢字の一部をイラストで表す 
 冷(ソフトクリーム)飯(おにぎり)膨(フランスパン)和(湯のみ茶碗)
 菓(チョコレート)軽(ハンバーガー)炒(フライパン)洋(フォーク)
 子供が漢字を学ぶ時にこのサインを見たら、一生記憶に残るのではないだろうか

・紀ノ国屋:色が示す伝統と決意 
・R25 cafe:空白の価値 空白の力
・竹尾 湾岸物流センター:空間の本質を効果的に演出する

・Natulux Hotel<ナチュラクス ホテル>
 視覚がとらえる素材感が、五感に訴えかけてくる
 北海道富良野駅前ビジネスホテル
 マスプロダクトの均質な素材じゃないものがワンポイントにあること 
 富良野川の川辺で拾った丸みのある石に刻まれたサイン
 その石から富良野の自然を感じ、やさしさが伝わりホッとする

・横須賀美術館:見せるより見えること、美術館が面している海がシンボル
・MIYOSHI FACTORY SOAP<ミヨシ石鹸ファクトリーソープ>
・ガーデンテラス長崎:平面と立面の間にあるデザイン 

・9hours<ナインアワーズ> http://9hours.jp/tops
 京都市寺町「トランジット・ステイ」という新しい宿泊形態
 1+7+1=9h(シャワー+睡眠+身支度)
 スリーピング・ポッド(寝室)内部の最新設備が気になります
 東洋紡績(株)とパナソニック電工(株)の共同開発による
 マットレスと照明の環境システムを是非体験してみたいです 
 
・渋谷プロジェクト:流れを作り出す動き
・矢印:意識と行動予測の視覚化