会津研修会のご報告~会津探訪小さな旅 その1~


 あけましておめでとうございます。
広報委員会2017年、今年初のご報告は、「会津研修会」です。
 10月19日水曜日、会津に向かう道中の車窓から見えた磐梯山の光景の美しさは、紅く色づき圧巻でした。


 今回は会員で美里町在住の小野なつ子さん企画で、まずは会津本郷磁器会館見学、流紋焼見学、工房見学と美里町を散策しながら楽しみました。本郷焼は美濃(岐阜県)から長沼を経て1647年、会津藩保科正之公の殖産奨励により創始されたことが分かった。当初は茶器を中心としていたが、実用品も多く作られ陶器、磁器の技法は今日に受け継がれている。昭和33年(1958)にはブラッセルの万国博で「ニシン鉢」がグランプリを受賞し、有名になった。本郷の山の土、石が焼き物に適したものだったのだろう。
 1800年には白磁も産出されている。途中立ち寄った工房では「こういうものも本郷焼なのか」という白磁にお目にかかった。食生活やライフスタイルの変化に合わせてモダンに進化している器に出会ったことは新鮮だった。
 さてお昼は会津の郷土料理を食することができる渋川問屋にて「祭り御前」を頂いた。棒たら煮、ニシン山椒漬、こづゆ、ニシンの天ぷら、ニシンの昆布巻など北前船で盛んに交易していた江戸時代を彷彿とさせるような料理を器と共に味わった。会津の気候風土は裏日本的で、内陸のため日本海から阿賀野川を経て船で海産物の乾物が多く運ばれて来ていた。


 本柳会長の挨拶は会員の皆さまを労い、昼の乾杯ではあるが、ホッと一息できるひと時となった。前泊の方々は夜の懇親会で地元の佐藤和弘さんお勧めのバー居酒屋で美味しいお酒をたしなみ、今回だけではまだまだ会津の神髄に触れるには足りないということだった。
 途中全員で記念写真を撮ったり、自由行動を基本としながらも好奇心旺盛なFIC会員はそれぞれに興味あるところ、部分を楽しんだ1日となった。
 企画してくださった小野なつ子さんには改めて御礼申し上げます。素晴らしい秋の一日となりました。ありがとうございました。また、本郷磁器会館近くにある和菓子屋さんの「ふやき」は今回の旅の一押し新発見に。何とも言えない和三盆糖の上品な甘さに感動。会津の有名菓子は殆ど知っていると思っていたのだが、本柳会長お勧めでついて行ったお店で出会いました。門外不出の秘法をもって、1枚1枚丁寧に仕上げたという干菓子に「こんな所にあったのか」と言う感慨を持った。
 
                      渡部 きぬ子 広報委員長記

FIC 伊勢型紙セミナー&納涼会ご報告

本柳会長就任でFIC丸の出航第1弾となるセミナーが去る9月7日に開催された。
今回のセミナーはリリカラと「伊勢型紙・kioi」の取り組み、 江戸の粋~グローバルデザインへ、というコンセプトの下にリリカラ営業開発部の波多野一郎氏にご説明頂いた。
「ジャポニズム」は19世紀には世界で日本の陶器、浮世絵が愛され、ゴッホをはじめ印象派の画家に影響を与えたデザインである。その一つに着物を染める原版となった型紙であるが、リリカラではその型紙ストック5000枚を活用して建築、インテリアに意匠を提案している。
外国人観光客が多い昨今、伝統工芸が見直されている。それらのデザインはシンプルで自然の草木、花々、水、雲などをモチーフとしており、素材も現代人の気持ちに寄り添うものでしっくりと落ち着く。その意匠をリリカラでは様々な素材、加工を試み、テキスタイルをはじめ、インテリアエレメントに活かせるように開発した。「和」好みの方には必見のセミナーであった。リリカラさん、たくさんのサンプルをご紹介頂きありがとうございました。
「亀甲」「七宝」「麻の葉」「巴文」「菱形」などの文様は着物に馴染みのない方でも、日本人なら風呂敷などで目にしたことがあるだろう。それらの文様には子孫繁栄、豊穣などそれぞれに意味があり、時代や民族の特性を表している。
さらに、ジャポニズムはウィリアム・モリスにも影響を与え、「アーツ&クラフツ運動」にも繋がる。柳、菊などの連続した草花のモチーフをみればうなずける。日本のデザインをもう1度新たに感服するセミナーだった。
「ぜひ、皆さんが関わっている現場で使ってみてください」と松川所長さん。リリカラの装飾革命です。

委員会・懇親会


セミナー終了後は委員会が開催された(詳しくはホームページ会員のページ議事録を)。
今年は残暑が厳しいこの日に、納涼会が「梅の花」で開催された。「和」テイストがここかしこに感じられる店内での「乾杯!」に始まり、「風待草」と銘打った豆腐料理の数々に秋の風味を感じ、水を打った庭に目をやり、とてもいい感じ。五感で一足早く初秋を味わうことができました。
ニューフェイスも入っての新旧会員同士自己紹介、近況報告をして親睦を深めた。

(渡部 きぬ子 広報 報告)